BASARA
□10.31
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夜も更けた頃……
―――ピンポーン、
『はぁ〜い、… …どちらさまですか?』
目の前には黒い帽子付きのマントに身を包んだ男が一人。
「悪戯オバケさ。…こんばんはお嬢さん、今日は何の日か知ってるかい?…」
『今日?…』
低い声とにんまりと怪しげな笑みを浮かべる男は掌を広げ深く被った帽子の隙間から僅かに覗かせる瞳が私を見下ろす。
互いに見つめたまま何も言わず冷たい空気だけが頬を撫で続けた… …
『… … … …てか何の用?元親。』
「あ、分かる?」