書庫GS1

□雨音
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うたた寝から目を覚ますと珪くんと目が合った。
「おはよ、外まだ雨だ」
かすれ気味の声で珪くんが言った。
私ははずかしくて珪くんに背中を向けた。
「お前の寝顔、かわいかった」
「やだ、そんなの見ないで」
珪くんが背中から腕を回してくる。密着する素肌。
「なんで?かわいいよ。お前はいつでも」
敬君が私の背中に鼻をすり寄せる。ちょっとくすぐったくて身を捩った。
「昨日の夜も、今も」
昨夜の出来事を思い出して赤面する私。
「こうしているだけですごく気持ちいい…」
珪くんが私の背中に頬ずりする。
息がときどき私の肌に触れ、私はそれだけでぞくぞくする。
「気持ちいいの?これだけで?」
私は不思議に思い、珪くんに尋ねた。
「…やわらかくて…、いい…」

珪くんは再び夢の世界へ歩んでいる。

その瞼にキスをして私も同じ世界へ歩みを進めた。

end...

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