捧げ物

□222Hit
1ページ/3ページ



≪空想彼氏≫





本当に視ていたんだ
本当に聴いていたんだ
本当に感じていたんだ


晴れの日は大好き
貴方が輝いて見えるから
雨の日は大嫌い
貴方の声も姿も掻き消されてしまうから


夢の中での貴方は笑っていて
記憶の中での貴方は遠ざかっていて
思い出の中の貴方はもう居なかった


それだったならば...現実は?


夢と記憶と思い出を合わせても
貴方と一緒に居た今という現実が存在しなかった


有るのは私と雨と涙


気付けば 私の中にも貴方という存在は
もうなくて
覚えているのはあの日の出来事


あの時雨が降っていて
貴方は果敢ない命に終わりを告げた


その後の記憶は 私の生んだ 悲しい結末


想像 思考 幻想 夢想


否...


『空想』






次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ