捧げ物
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≪空想彼氏≫
本当に視ていたんだ
本当に聴いていたんだ
本当に感じていたんだ
晴れの日は大好き
貴方が輝いて見えるから
雨の日は大嫌い
貴方の声も姿も掻き消されてしまうから
夢の中での貴方は笑っていて
記憶の中での貴方は遠ざかっていて
思い出の中の貴方はもう居なかった
それだったならば...現実は?
夢と記憶と思い出を合わせても
貴方と一緒に居た今という現実が存在しなかった
有るのは私と雨と涙
気付けば 私の中にも貴方という存在は
もうなくて
覚えているのはあの日の出来事
あの時雨が降っていて
貴方は果敢ない命に終わりを告げた
その後の記憶は 私の生んだ 悲しい結末
想像 思考 幻想 夢想
否...
『空想』
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