恋愛依存症
□恋愛依存症
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その気持ちは、恋としかいえなかった。
あたしはユウが好きになっていたのだ。
リョウという存在がありながら…、
黒田ユウ、バスケ部のエース。
クールな性格でファンも多いが、それを表に出したりはしない。
かなり長身でスレンダー。
さらさらで少し茶色がかった髪に憧れる人は多い。
どうすればいいの?
「ユウかよっ…、リョウはどーすんだ?」
男子の意見を聞いてみようと思い、同じクラス同じ部活のアキに相談してみた。
アキとはいつもふざけあう仲だった。
彼は棚橋アキ、一番の男友達。
スポーツ万能なうえ頭がよく、男女ともに好かれるタイプ。
かなり体格がよくがっちりしていて日に焼けた黒い肌が特徴的。
リョウとは学校公認のカップルだったから、いくらアキでも呆れたよね…、
「…別れんのか?」
少し弾んだ口調で聞かれた。
そのときはその口調の変化になんの疑問もなかった。
『別れようと思う…』
「そっか…お、俺は否定したりしないからな、実咲が決めたことだし」
そして、リョウとの関係は自分でも悲しくなるくらいもろく、一言で片付けられるようなものだった。
一つの恋が幕を開けたと同時に、一つの恋が幕を閉じたのだった。