恋愛依存症

□恋愛依存症
3ページ/80ページ

その気持ちは、恋としかいえなかった。
あたしはユウが好きになっていたのだ。
リョウという存在がありながら…、


黒田ユウ、バスケ部のエース。
クールな性格でファンも多いが、それを表に出したりはしない。
かなり長身でスレンダー。
さらさらで少し茶色がかった髪に憧れる人は多い。


どうすればいいの?



「ユウかよっ…、リョウはどーすんだ?」

男子の意見を聞いてみようと思い、同じクラス同じ部活のアキに相談してみた。

アキとはいつもふざけあう仲だった。


彼は棚橋アキ、一番の男友達。
スポーツ万能なうえ頭がよく、男女ともに好かれるタイプ。
かなり体格がよくがっちりしていて日に焼けた黒い肌が特徴的。


リョウとは学校公認のカップルだったから、いくらアキでも呆れたよね…、

「…別れんのか?」

少し弾んだ口調で聞かれた。
そのときはその口調の変化になんの疑問もなかった。


『別れようと思う…』

「そっか…お、俺は否定したりしないからな、実咲が決めたことだし」


そして、リョウとの関係は自分でも悲しくなるくらいもろく、一言で片付けられるようなものだった。

一つの恋が幕を開けたと同時に、一つの恋が幕を閉じたのだった。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ