わたルド

□私とまさかの…
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ビーチフラッグは浜辺でしかできない?いえいえ、そんなことはございません。私が見ているこの光景は紛れも無く室内です。
白い砂浜に打ち寄せる白波。
信じがたい光景ですが、室内!なのです。

「凄すぎる…」
「んふ、跡部くんはお金持ちですからね」
「クスクス…やばいね、これ。金持ちとか、そーゆーレベル?」
「金持ちはすごいだーね」

ア然とするルドルフ一行。
ちなみにみんな水着。店長のみ上にTシャツを着て、パラソルサングラス持ち。恐らく…日焼け対策。
氷帝一行も全員水着で準備運動らしきものをしている。


「やっぱり、締め括りはこれだろ!!」
「今年も強豪校らしいな、長太郎」
「そうらしいですね、宍戸さん!」


締め括り?強豪校?強豪校って、私たちのコトかしら?はっきり言いますが、ビーチフラッグなんて生まれて初めてやります。


「店長、店長」
「なんです?」
「店長はビーチフラッグのために呼ばれたって知ってたんですか?」
「いえ、今知りました」
「えぇぇぇえぇぇ!!」


ナニソレ!ダメじゃん!!絶対私たちは強豪校なんかじゃないから!!
地方からテニスやるために集められた聖なるルドルフ達だから!!
聖なるルドルフは微妙だが、ビーチフラッグの強豪ではないことは、確かだ。


「準備運動はできたか、あーん?」
「ウス」
「お前じゃねぇ」
「…ウス」
「こちらの準備は万全ですよ、跡部くん」
「あぁ、じゃ始めるとするか……樺地!!」
「ウス!」
「お前じゃねぇ……あ!間違えた!樺地、お前だ。お前で良い」


跡部くんがアホなことをやってるうちに最初の二人、向日くんと柳沢アヒルは定位置に着き、俯せていた。

「よぉーい……ドン!!」

真ん中わけの…誰だあれ……。…え?……店長が言うには滝くん?がスタートの合図をすると、二人は一斉に起き上がり旗を目指して走り出した。
私は特に期待するでもなく、その勝負を見ていた。だから私は目を疑った。
なぜなら、柳沢アヒルが向日くんに大差をつけて誇らしげに旗を取っていたからだ。

「まだまだだーね!」
「クソクソ!!」


ざわつき始める氷帝側と、黙ったまま柳沢の勝利を受け入れる聖ルドルフ。

「柳沢ぁぁぁー!」

店長が沈黙をやぶり、柳沢に叫び右手の親指を立てている。
その口角はあがっていて………っつーか、何キャラ?
店長の勝利の雄叫び(?)と共に盛り上がる聖ルドルフ。
この人達、私の知らないうちにビーチフラッグの練習をしていたみたいです。
合同合宿と聞いてここに来たのに、突然ビーチフラッグをさせられているのに対しては、私以外誰ひとり疑問を抱いてません。
しかもみんなノリノリ…。私も空気を読んで、テンションをあげるしか………なさそうです。



つづく。


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