メイン
□内緒の特訓
3ページ/9ページ
いつか捨てられるんじゃないか…。
そんな風に思いたくはないが頭の中は常に終わることが決まっているようにマイナスの方向に働く。
せめて身体だけでもと思っても実行に移せない。
三人の頭は試験のことよりも憂鬱な悩みができてしまった。
三人が暗い顔で歩いていると目の前をブレザーを着た学生二人が通った。その二人の顔を見て田島は叫んだ。
「今の桐青の高瀬と島崎だ!!」
田島の言葉に三橋と泉もその二人を目で追った。
確かにそれは高瀬と島崎だった。
「何でこんなとこに居んの?」
田島は二人を目で追ったまま三橋と泉に言うと、二人は「さぁ?」と首をかしげたまま黙ってしまった。
先を歩いている高瀬と島崎は田島たち三人が居ることに気が付かず、すぐ目の前の公園に入っていった。
その公園には痴漢が出没すると言われていて、ほとんど近づく者はいない。
回りを木でおおわれているため太陽の光は届きづらく、通りがかる人からも見えない。
そんな寂れた公園に一体何をしにいくのか。
三人は無言のまま目を会わせるとこっそりと後をつけていった。