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泉姫と七人の小人たち
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一年以上たちますと、王様はあとがわりの女王様をもらいました。その女王様は美しい方でしたが、たいへん自惚れが強く、我が儘な方で、自分よりもほかの人が少しでも美しいと、じっとしてはいられない方でありました。名前を榛名元希といいました。

ところが、この女王様は、前から一つの不思議な鏡を持っておいでになりました。その鏡に女王様はタカヤという名前を付けていました。そして、その鏡をご覧になるときは、いつでも、こうおっしゃるのでした。
「鏡や、鏡や、鏡さん。国じゅうで、誰が一番美しいか、言っておくれ。」

 すると、タカヤはいつもこう答えていました。

「女王様、あなたこそ、お国で一番美しい。」

 それを聞いて、女王様はご安心なさるのでした。というのは、タカヤは、嘘を言わないいうことを、女王様は、よく知っていられたからです。
一方、泉姫は、大きくなるにつれて、だんだん美しくなってきました。泉姫が、ちょうど七つになられたときには、女王様よりも、ずっと美しくなりました。
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