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彼氏と一緒に
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「泉さぁ、オレがキスマーク付けたいって言った時は嫌がったくせに、三橋にはいいんだ」

浜田の目がギラリと輝いて泉は恐怖を感じて直立不同のまま浜田から視線だけを外した。

ドカッ…。

「ひっ!!」

浜田が泉のそばに置いてあった椅子を思いきり蹴飛ばした。浜田に蹴られた椅子はひっくり返って壁にぶつかった。

「ごめん…な…さいッ…」
泉は床にペタンと座ると小さな子供みたいに泣きじゃくった。

隣で泣いていた三橋も浜田の裏の顔を見てしまったようで恐ろしくて顔が上げられない。小さな頃から優しかった浜ちゃんがこんな暴力的になっていただなんて信じられない。
それは三橋の正面に立っていた阿部も同じで、いつも泉の尻に敷かれているヘタレな浜田しか知らなかった阿部にとっても、かなりの衝撃だった。しかし、阿部は浜田に自分と同じ何かを感じとりニヤリと口の端を上げて浜田に合図を送った。浜田も阿部の合図の意味を理解して頷いた。二人の中で何かが生まれたことを三橋と泉は気付いていなかった。
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