過去の拍手お礼小説
□拍手お礼小説19
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告白したのは利央からだった。
日々溢れ出てくる想いを止めることが出来なくて、半ば強引に交際が始まった。利央は毎日育っていく気持ちを自覚せざるを得なかった。
しかしあれから3ヶ月以上経つのに和己は手も繋いでこなければ、キスもしてこない。
俺って…魅力ないのかな…。
何時も強気な利央だが、さすがに落ち込む。
同情で付き合ってくれてたりして…。
利央の考えは、真っ黒な墨を流したようにドロドロした気持ちで埋めつくされてしまった。
それでも和己に構って欲しくて、我が儘を言って困らせてみたりと、気を引こうとしたが和己は何時も笑ってそれを許してしまう。
二階にある自室に入ってベッドに倒れ込むようにして寝そべると胸にチクリとした痛みが走る。
「和さん…好き…」
声を出して呟いてみると、涙と一緒に切ない想いも溢れてくる。
あの胸に抱かれたら…。
想像して一人で顔を赤くした。
和己の姿を思い起こすたび、下腹部に甘いくすぶりを覚える。
「利央…」
くすぶりの正体を確かめる間もなく、鼓膜の奥に和己の吐息まじりの声が響いた。
「…っ…」
下半身がその声に反応する。
ベッドで身体を丸め、利央は恐る恐る熱っぽい下腹部へ腕を伸ばした。
「う…ぅ…」
制服の中に入り込んだ指は簡単に受け入れる。
下着の上からでも高ぶっているのがわかる。
耐えきれなくなり、下着の中に指を入れて性器を直接撫でると、そこはすでに濡れていた。
「っ…」
和己と出逢う前までは、性的な想像は必ず美しい女性だった。甘い香水の香りが脳裏を過った。
しかし、和己を好きだと気付いてからは、汗の匂いと混じった和己の匂いが鼻腔へ届く。
匂いを想像しただけで握り込んだ性器が手の中でぴくんと震えた。
ぬるぬるとする体液が先端から溢れて手の動きを寛容にする。
「ふ…ぅ…」
もっと…。
もっと…。
急速に求める快感に、性器を擦る手の動きが早くなる。
びんかんな先端に指の腹を擦り付け射精を促す。
開きっぱなしの口元のからは唾液が溢れ、ベッドシーツに染みを作るが、それを溜飲することは出来ない。
「あっ…ふ…あぁぁ…」
性器を擦る指に力を込め、これが和己の指だったらと想像した瞬間、内腿が引きつりるのに任せ、射精した。
手の平にぶちまけた白濁の液体を見つめると、眼球の奥が熱くなって涙が出てきた。
擦って出す、という機械的な行為に充足感も満足感もない。
抱きしめて欲しい…。
そう思ったが叶わぬ夢だと、諦める。
気だるさの残る身体を両手で抱えると、そのまま眠りについた。