長編連載
□腐愛の檻2
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阿部はこの日を心待ちにしていた。
ようやく三橋を自分のものだと公言出来ると思うと、笑みが隠せない。
昼休みを知らせるチャイムが学校中に響き渡る。
三橋はいつものように阿部の教室の前で弁当を持って待っていた。
「三橋、遅くなってごめんな」
阿部が突然後ろから声を掛けてきて、三橋はぱっと振り返った。
「ううん…。俺…待って…ないよ!!」
三橋は阿部の手をギュッと握って必死に言った。
阿部は三橋を連れて屋上に向かい、いつのように食べさせあった。
「三橋、卵焼き」
阿部は三橋を呼ぶと、三橋は阿部から口移しで卵焼きを食べた。
「阿部くんの味がして…いつもより…おいしい…」
阿部は理想通りになった三橋を抱き締めると、ほくそ笑んだ。