長編連載
□断絶ロジック4
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学校が終わると、織田の部屋で何度も何度も身体を重ねた。
織田はなぜか優しく叶を抱いた。口では意地悪なことを言ったりするが、叶を傷付けたり、叩いたりしない。叶は時々恋人にでもなったような錯覚に陥り、「好き」という言葉が唇からこぼれそうになる。
優しくしないで…。
あれほど憎かった相手に恋愛感情など抱くはずがない。
それに織田が叶を抱くのも一種の気まぐれやストレス発散として利用したのかもしれない。
それなのに自分だけ本気で好きになるなんて惨めなだけだ。
心を閉ざして、何も考えない。
そのうち織田も自分に飽きるだろう。
叶は織田に抱かれる度に心の中で呪文のように唱えた。