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BABY☆BABY CRASH!!
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「あ〜だりぃ…」

花井は誰にも聞こえないような小さな声で呟いた。

グラウンドは程よく整備され、空は朝から雲一つない快晴で、気持ちさえ清々しくなるほどだ。

花井を除いた部員たちはそれぞれ声を掛け合いキャッチボールを始めた。

花井はため息をつきながらグラウンドをぐるりと見た。
いつもと同じ光景にホッと胸を撫で下ろすと共に、何となく言葉には出来ないが嫌な予感がする。

おみくじで凶を出した時の言い知れぬ不安感に似ている。

「花井〜やろうぜ」

突然阿部に声を掛けられて、花井は我に返った。

今は部活に集中しろ!!

自分に言い聞かせるようにしてグローブを握った。

阿部と二人で軽く投げ合っていると、突然阿部がきょろきょろと辺りを見渡して、グラウンドの真ん中で田島と二人で組んでいる三橋に声を掛けた。

「おい!!三橋!!」

三橋は突然の阿部の声にびっくりしたのか、肩をびくつかせ、それと同時に田島に向かってボールを投げた。しかし三橋の投げたボールは軌道を大きく反れて田島の頭に勢い良くぶつかった。ボールが当たる鈍い音を残して田島はグラウンドの砂の上に倒れた。
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