ﾒｲﾝ
□泉姫と七人の小人たち
1ﾍﾟｰｼﾞ/24ﾍﾟｰｼﾞ
むかしむかし、冬のさなかのことでした。雪が、鳥の羽のように、ヒラヒラと天からふっていました時に、ひとりの女王様が、窓のところに座って、縫い物をしておいでになりました。女王様は、縫い物をしながら、雪を眺めていましたが、チクリと指を針で刺してしまいました。すると、雪のつもった中に、ポタポタポタと三滴の血がおちました。まっ白い雪の中で、そのまっ赤な血の色が、たいへん綺麗に見えたものですから、女王様はひとりで、こんなことをお考えになりました。
「どうにかして、雪のように身体が白く、血のように赤い美しいほっぺたをもち、この黒真珠のように黒い髪をした子がほしいものだ。」と。
それから、少したちまして、女王様は、ひとりの男の子をお産みになりました。その男の子は色が雪のように白く、頬は血のように赤く、髪の毛は黒真珠のように黒くつやがありました。あまりにも美しいのでお姫様として育てることにしました。名は泉姫とおつけになりました。けれども、女王様は、このお姫様が産まれてすぐお亡くなりになりました。