捧げ物

甘い甘い誘惑
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「花井、えっちしよ?」

田島は部活が終わって一人日誌を書いている花井の背後から抱きついた。

「はぁ?何言ってんだよ!?冗談やめろよな」

軽口を叩いてみたものの、田島の発言にドキッとしてしまった。けれど、そんな胸の内を悟られないように、出来るだけ冷静に返してみたが、その表情は固かった。

「俺たち付き合って三ヶ月も経つのに、キスだって数えるくらいしかしてないじゃん!!俺は昨日も花井をオカズにしてオナニーしたけど、もう耐えられない!!えっちしようよ!!」

子供のように駄々をこねはじめた田島に、花井は仕方ないなという顔をし、書いていた手を止めて、田島の方を見た。

「分かったよ…。そんなに言うなら明日、部活が終わった後うち来いよ。親も妹たちも親戚の家に行ってて誰もいないから」

花井は、頭を抱えてうつむいた。
花井としても田島とそういう関係になりたくなかった訳ではない。
田島と同じで、相手を想って一人でしたことも多々ある。けれど、もう少し時間が欲しかった。

しかし、隣で喜んでいる田島を見ると、それでもいいかという気にもなる。
結局、花井は田島には甘いと言うことなのかもしれない。
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