捧げ物

僕はこうして此処に居て、何時かは朽ちて行くのかな。
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1 ―水谷Side―


「俺、泉のこと…好きなんだ…友達とかじゃなくて…」

言葉を慎重に選んだはずなのに、口から出てきたものは、ありきたりで陳腐なそれだった。
泉の顔が上手く見れなくて、視線を反らしては、手の届きそうなほど近い星を見つめながら言った。
俺としては一斉一代の大イベントだったのに、泉は腹を抱えて笑いこけた。

あまりにも予想外の反応に思わず俺も笑って、それでそのまま俺たちはグラウンドの隅の木の下で、初めてのキスをした。
それは、涙が滲むほど幸せな味だった。
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