捧げ物

愛は残酷で、時に甘美
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君は僕の宝物。

誰にも渡さない。

「三橋〜。今度の休み、うち誰もいないから来いよ。」

阿部は9組に行って田島や泉達と笑い合っている三橋に話しかけた。

三橋はチラリと田島の顔をうかがうと言いづらそうな表情で、言葉を濁すようにして答えた。

「あのね…。今度の…休み…田島くん…と遊ぶ…約束…したから…」

三橋の視線は、二人の間を行ったり来たりしながら、最後は助けを求めるような形で、泉を見つめた。

泉は関わりたくない、という雰囲気を出したが三橋はそれには気が付かず、なおも泉を見つめる。
仕方ないと、少し助け船を出してやることにした。

「まぁ、先に田島と約束してたんだし、今回はしょうがないって」

極力明るい声で阿部の肩をポンと叩いた。

しかし阿部は、泉を睨み付け、「余計なこと言うな」と目で訴えてきた。

泉だって言いたくて言った訳じゃない。三橋がかわいそうだから仕方なく言っただけなのに、どうして自分が怒られなくちゃいけないのか、どうも腑に落ちない。それに、これ以上阿部の機嫌を損ねてとばっちりをくらうのはいやなので、あとは田島に任せて、泉は浜田のもとに移動した。
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