過去の拍手お礼小説

拍手お礼小説22
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「うおぉぉぉ!!!!海だぁぁ!!!!」

田島はキラキラと目を輝かせて、興奮したように、砂浜を走りだし、そのまま海に飛び込んだ。

「冷てぇ〜!!」

子供のようにはしゃぐ田島を見て、花井は呆れたようにため息をついてすぐに追いかけた。

「花井も大変だな」

泉は笑いながら砂浜にシートをひいた。

「浜田、そっち持って」

浜田は荷物を置くと、泉に言われたようにシートの両側を持ってシートを広げた。

シートがひき終わると、その隣に阿部と三橋がパラソルを立てた。

「すげぇじゃん」

「目立つからすぐ分かったよ」

水谷と栄口は両手に人数分の飲み物を抱えて戻ってきた。

「田島〜花井〜」

浜田が二人を呼ぶと、すでにずぶ濡れになっている田島と花井が仲良く手を繋いで戻ってきた。

花井はTシャツを脱いでいなかったため、Tシャツも濡れてしまった。

シートにパラソルが立っているのを見た田島は再びキラキラと太陽みたいな笑顔を輝かせて言った。

「おぉ〜秘密基地みたいだな」

子供みたいなことを言う田島に、その場にいた全員が恥ずかしくなった。
高校生にもなって『秘密基地』なんて言えない。

素直に思ったことが言える田島を羨ましいと思った。

水谷と栄口が買ってきた飲み物を飲みながら阿部は三橋に日焼け止めを塗っていた。

「あ…阿部くん…くすぐったいよ…」

阿部はわざと脇腹や胸元をさわさわとかすめながら塗っていく。

なんか…エロい塗り方…。

泉はスイカ模様のビーチボールに空気を入れながら思った。

「いいなぁ…。俺らもやろうよ〜」

浜田が泉の後ろからベタッとのし掛かった。

「暑いだろ!!くっつくな!!」

泉は浜田を振り払うと、再びビーチボールに空気を入れた。

「もぉいいよ!!」

浜田はそう言ってどこかへ行ってしまった。

言い過ぎたかな…?

去っていく背中を見ながら泉は思った。

けれど素直になれない意地っ張りな性格は簡単には治らない。
損な性格だと自分でも思うが、浜田はそんな自分を好きだと言ってくれる。

あいつバカだよな…。

そんなことを思いつつもやっぱり嬉しい泉は空気の入ったビーチボールを持って浜田を探しに行った。
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