過去の拍手お礼小説
□拍手お礼小説20
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「阿部…水谷…下ろして…腕…痛い…」
栄口は両手を縛られて、それを体育倉庫の滑車に引っかけられ、爪先が地面に付くか付かないかのギリギリのところで吊り上げられていた。
爪先に力を入れていないと肩の関節が抜けるような感覚に、必死に力を入れた。
それを水谷と阿部が薄ら笑いを浮かべて見ていた。
「お願い…」
涙をポロポロとこぼす栄口に二人の加虐心は最高潮に達する。
「可愛い…栄口…」
水谷は我慢出来ずに栄口の口を塞いだ。
「ん…ぅん…」
口腔を水谷の舌でかき回されて上手く呼吸が出来ない。
舌を吸われて歯の根を舐められ、栄口は口の端から溢れた涎は糸を引きながら床へ落ちた。
「おい、抜け駆けすんなよ」
阿部は栄口へ夢中で口付けている水谷の肩に手を掛けて止めさせた。
「あぁ…ごめん」
水谷は名残惜し気に栄口から離れ、阿部と場所を交代した。
阿部は栄口の前に立つと、ポケットから白い錠剤を取りだし、それを自分の口に含んだ。
そして栄口の唇に自らの唇を押し当て、唾液に絡んだ錠剤を栄口の口に送り込んだ。
「いやぁ…」
栄口は短い言葉と共に錠剤を吐き出そうとしたが、阿部に顎を掴まれて無理矢理上に向けられ、錠剤は簡単に喉を通っていった。
「ゴホッ…ゴホッ…今の薬…何?」
咳き込みながら栄口は不安げな顔で二人を見た。
「そのうち解るよ」
「頑張ってね」
阿部は意味深な言葉を残し、水谷はヒラヒラと手を振って、二人は栄口を残して何処かへ行ってしまった。
「やだッ!!行かないで!!」
泣き叫ぶ栄口の声を聞いても二人は振り返ることもなく無情にも扉は閉まった。
「はぁ…痛い…」
縛られた手首は縄が擦れて血が滲んでいた。
そして栄口の体重を支えている肩は痺れて、感覚を失っている。
「助けて…」
小さく声を上げてみても誰もいない体育倉庫は、栄口の声を反響させるだけで何も変わらない。
もう…戻って来ないのかな…。
このまま放置されるのではないかという恐怖に涙が止まらない。
「ヒッ…ふぇ…」
泣いている時、下半身が微かに震えた。
「えッ…!?」
それは尿意に似ているようで、けれどもっと強い意思を持っていた。
股間の辺りが熱を持ったようにジンジンと熱くなって、栄口のものは急速に勃起していった。