長編連載
□君の笑顔を守りたい
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第二章 『その先に見えるもの』(前編)
引っ越しがすみ、翌日から泉は学校に通えることになった。
3ヶ月振りの登校に少し緊張している表情が可愛かった。
退院しても薬は一日三回飲まなければならないし、一週間に一度の通院も欠かすことが出来ない。
それでもあの苦しかった入院生活を思うと今が夢のように感じた。
けれど…。
同じベッドで寝ていても、隣にいる泉が冷たくなって、一生目を覚まさなかったらと不安になる。
夜中に何度も目が覚め、その度頬に触れ、温もりを感じ、もう一度眠りにつく。
俺は泉が退院しても不安でたまらなかった。