長編連載

君の笑顔を守りたい
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汗で額に張り付いている前髪を、指で優しく透いてやると、泉は薄く口を開いて「み…ず」と言った。

俺は冷蔵庫の中から500mlのミネラルウォーターのペットボトルを持ってきて、ぐったりとベッドに沈んでいる泉に差し出した。

激しく運動したせいで汗をかいていた泉はその冷えたペットボトルを頬にぴたりとくっ付けて気持ち良さそうな顔をしている。

「俺にもちょーだい」

ゴクゴクと喉を鳴らして飲んでいる泉の隣に腰を下ろして、俺が言うと泉は「しょうがねぇな」と言って残り3/1ほどになったミネラルウォーターを俺にも渡した。

ふと見ると、泉の口元を濡らしていた水滴は顎を伝って首筋に垂れて胸元まで垂れていった。

それがなんだか色っぽくて、ペットボトルをくわえながらそこばかりを見てしまう。

その時、俺は泉に違和感を覚えた。

何かが何時もと違う。

「おい、何見てんだよ!!気持ちわりぃな」

俺の視線に気付いた泉は、冷たい目で俺を一別し、テレビの電源を入れた。テレビは今流行っているお笑い番組が流れていた。

けれど俺はそれを視界にに入れることなく、それを楽しそうに見ている泉の胸元ばかりを目にいく。
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