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□中2病しりとり
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会話文です



「この邪獣が封印されし左腕を解放し、この世界など消し去ってくれる!」

「ルシフェル様、お止め下さい!そんな事をすれば、貴方の身体諸共消え去ってしまいます!」

「全て承知の上さ…!さあ人間、我を倒して世界を救ってみよ!出来るものならなァ!」

「なんて事…!ルシフェル様ー!」

「おい何やってんだ」

「あ、岩ちゃん早いね」

「中二病しりとりだって。及川サンに付き合わされてんの」

「えー?悠チャンだってノリノリだったくせにー!」

「それは及川サンが真剣にって余計なルール作ったからでしょうが」

「中二病しりとりって何だ」

「中二病っぽい言葉限定でしりとりするんだって」

「ああ…それで変な事言ってたんだな」

「しりとりっていうか枠を逸脱した会話になってるんけどね」

「なんかね、悠チャンの友達のちなチャンて子が最近流行ってるんだよー!とか言ってたのを聞いたら面白そうだったんで実践中なんだー」

「実は結構楽しかったりする」

「岩ちゃんもやる?まだ部活まで時間あるし」

「やらねえ。二人でやってろ」

「岩ちゃん冷たい!」

「せっかくだからやろうよ岩ちゃん、私1人で及川サンの相手するの疲れるし」

「なにそれひどい!」

「しゃあねえな」

「やった岩ちゃんありがと!」

「んー、何か複雑だけどいっか!ルールは中二病っぽい言葉しか使っちゃダメ、あとは真剣にやってネ!その方が面白いから。あ、あとしりとり出来てるなら会話でもいっか!勿論それっぽい言葉だけでも良いけどネ!」

「はいはい」

「既に脱線しそうな気配がしているけど。まあ、何からいく?さっきの続き?」

「折角だから最初からにしよーよ、オーソドックスにしりとりの『り』からで」

「じゃあ及川サンからね。で、私、岩ちゃんの順番でいい?」

「おー」

「じゃあ俺からね!んー、…『リアルで、此方の世界で会うのはこれが初めてだな…』」

「中二っていうかネトゲの人達が初めてオフ会するみたいね」

「だな」

「もー!いいから次次!悠チャン早く!」

「はいはい…『奈落の底から這い上がって来たこの混沌、貴様に防ぐ事が出来るか?』」

「かー…、『彼方より飛来し神が、愚かなる人間達を導くだろう』」

「あれ、岩ちゃんの割には中二病っぽいネ!」

「どういう意味だクズ川ァ」がんっ

「Σ痛い!悠チャン、岩ちゃんすぐ手が出るのって酷くない!?」

「ほら及川サンの番だよー」

「あれっ無視!?…えーと、『憂いと欺きを纏いし剣、これを携え、この世界を救ってみよ!』」

「さっき世界滅ぼすとか言ってたのに」

「確かに言ってたな」

「さっきはさっき!今は今が大事なんだよ悠チャン」

「よー…『夜に彷徨う漆黒の翼』」

「『されど裏切りの龍は陽光に眩む』」

「やだそれなんか格好良い」

「岩ちゃんセンスある…!というか『む』って何かあるかな」

「骸とか」

「無常とか」

「Σなんで二人ともそんなに早く出てくるのさ!えーと、『無慈悲な神々が今日も我等を断罪する』」

「『瑠璃色の精霊が凍った湖上で舞い踊る』…というか『る』ってレパートリーなくて困るわ」

「割と回ってくるしな…えーと、『ルビー色の瞳が硝煙を映す』」

「『枢機卿の策略に溺れる子羊!』」

「『自由が欲しいか、ならば精々足掻いてその手に掴んでみよ』」

「『…よく、この地まで辿り着いた』」

「『ただ、此処から先へは絶対に進ませない!』」

「なんかいきなり物語になった」

「ノリでつい」

「そう!悠チャンが発端だからネ!」

「えー…『意味の無い事よ…、貴様の願い、断ち切ってくれる!』」

「やべ、また『る』か…『法律(ルール)を破っただと…!?なぜ、貴様がそんな事をする必要がある!』」

「えっ」

「…『る』だね及川サン」

「もう部活始まるし、そろそろお開きにすっか」

「負けた人が部活後にジュース奢ってね」

「え!何それ聞いてない!ちょっと待って待って!えーと…、る?るー…!」

「5、4、3、2、1…はい時間切れー」

「そんなあああ」

「お疲れさん、じゃあ練習行くか」

「そうしよっか。ほら及川サン行くよー。ジュースご馳走様ー」

「うー、無念…。今度は俺が勝つんだからね!後で絶対リベンジしてやるんだから!」

「はいはい暇な時にねルシフェル様」


中二病しりとり
案外楽しい

(はいルシフェル様、タオルどうぞ)
(えっまだそれ引き摺るの!?)
(おいルシフェルさっさとコート出て来い)
(岩ちゃんまで!?)

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