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□及川誕2013
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7月20日早朝5時、青葉城西高校体育館にて。
今日も朝練の為、多くのバレー部員が体育館へと集まってきていた。

「おはよーう」

『悠さんおはようございます!』

「あっ、悠ちゃーんっ!」

マネージャーである悠が挨拶しながら体育館に入ると、遠くのコートでサーブ練習をしていた及川が練習を切り上げてこちらへ走ってきた。

「岩ちゃん、国ちゃんおはよー」

「おー」

「おはようございます」

「ああちょっと無視しないで!聞いて!ちょっと聞いて!」

更衣室に向かって歩きながら部員達に挨拶していると、後ろから何処かの客引きの如く及川サンが追いかけてきて、真横から話しかけてきた。なんだかやけに上機嫌だ。

「なーに、及川サン」

「おはよう悠チャン!やっとこっち見てくれたネ!それでね悠ちゃん、今日何の日か知ってる??」

「及川サンの誕生日ー」

すたすたと歩きながら、及川サンの質問に答える。
誕生日、と答えると及川サンが嬉しそうに親指を立てて叫んだ。

「そう!大当たり大正解!いやーさっすが俺の愛しの悠チャン!」

「はいじゃあ着替えてくるんで」

「このツンデレさんめ!あ、プレゼントとk」

及川サンの言葉を途中で遮って、バタンと更衣室の扉を閉めて鍵を掛ける。
鍵を掛けないと及川サンがナチュラルに入ってくるから注意が必要だ。

『ねーねー、プレゼントとかないのー?』

「他の女の子から一杯貰うんじゃないのー?」

『俺は悠ちゃんからのプレゼントがいいんだケド!あっもし無くても悠チャンが一日俺とデートしてくれたりしぎゃあっ』

適当にあしらいながらジャージに着替えていると、ゴガッという鈍い音が聞こえて、外で喋っていた及川サンが悲鳴を上げた。

『いい加減にしろグズ川ァ!待ってんだから早く来い!』

その後に聞こえてきたのは、聞きなれた岩ちゃんの怒声。
またボールぶつけられたんだろーな、と思いながら髪を後ろで一括りにして更衣室の扉を開けた。

「ぎゃ」

しかし、ボール当てられて蹲ったままの及川サンにぶつかって、扉は半分も開かなかった。
なに、まだいたのか。

「なにしてんの」

「悠ちゃん!酷いんだよ岩ちゃんが!」

「どうでもいいけど扉が開かないから早くどいて」

がこがこと扉で軽くどつくと、及川サンはしぶしぶドアの前から移動した。

「ほら、岩ちゃんにまたボールぶつけられる前に練習行きな」

「えー」

不満顔の及川サンの後方には、次にぶつける予定のボールを構え、金田一達に抑えられる岩ちゃんの姿が見えている。

「及川サンがいないと始まらないでしょ?」

頭を抑えたままの及川サンが不満げな表情でこちらを見る。
プレゼント貰えないのがそんなに不満か。
プレゼントは後で渡す予定だから、今出す事は出来ない。しかしこのままぐずぐずしているのは非常に困る、というか迷惑なので、仕方なく餌で釣って動かす事にする。

「…誕生日特典で、」

ぽつりと呟くと、その言葉に及川サンの目がきらりと輝いた。犬系の尻尾が見えた気がした。

「朝練頑張ったら、今日一日名前呼びする」

「はいはい皆!練習始めるよ!ちゃんと体解したー!?」

名前呼び、という言葉にしゅばっと立ち上がった及川サンは、そのまま勢いよくコートで待つ仲間の下へと走って行った。

「…まあ、今日だけならいいか」

やけに気合の入った及川のサーブを受け止める羽目になった一年生達を見つつ、今日の部活終了後に開くサプライズパーティの準備にこっそりと取り掛かった。


及川サンHappy Birthday!!
in 2013

(徹、誕生日おめでとー。はいプレゼント)
(うわ、俺今死んでも良いくらい幸せなんだけど)
(及川、お前鼻血止めないとそのまま死ぬぞ)

.
atogaki
及川さんお誕生日おめでとう!
不憫でごめんね!←

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