見参!

□子供の事情。壱
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「お待たせ致しました。」

助手席に移動していた政宗に詫び、小十郎はハザードを消す。
替わりにウィンカーを出し、車を走らせた。

「政宗様、あのアパートは…」
「だよなー。」
「いかが致しましょう」

小さな腕を組んで、うーんと唸りながら考え込んでいる。

「どうしょもねぇな…」
「日時は既に決定しております。来週には工事会社も内定する予定ですが。」
「俺が一肌脱ぐか。幸村と佐助の為だ!」

よしっと幼稚園の黄色いカバンから、ブレザーを出す。
着ていた水色の園服をしまって、代わりにそのブレザーを着た。

「Let's Go、小十郎!」
「畏まりました。」
「久し振りだな、会社に行くのも…」




しばらく走らせた車は、一際目立つ高層ビルの中へ入っていった。



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