見参!

□Oh My Juliet
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箱を開けると、竜が彫られたシガレットケースが入っていた


「こいつは?」

「今日は何日でしょーか?」

「…ああ、すまねぇ…」


忘れていた
と頭を抱えた小十郎に、佐助は微笑んだ


「忙しいの知ってるから…もう一年だねぇ」



二年の春、ひょんな事から付き合うようになって一年
他の先生にも生徒にもバレずにやってきた
デートは専ら車で遠出
校内ではできるだけ会わないように

何かと努力をしてきた気がする



「よくばれねぇできたもんだな」

「…うん」

「佐助」

「ん?なに?」





本当は調べてたんだ

休日も仕事に来てること

土曜は遅くまで一人でやってること

わざと下駄箱に置いて

こっそり忍び込んで驚かそうと思ったの

でも






「…ありがとう」

「ん……いつも優しいキスがいいなぁ」

「強引な方がいいっつってたじゃねーか」


触れるだけのキスをして、門越しに手を繋ぐ


「にしてもこんな低い門なら、飛び越えられんだろ」

「楽勝だけどさ、なんかこーゆーの、いいじゃん?」




仕事をしてる姿を見て

優しいキスをしてくれて

また

惚れ直していました



「今日は帰さねぇでもいいんだな?」

「受験休日だし、片倉せんせーも俺様だけの小十郎さんになる日だし」


それはまるで
ロミオとジュリエットのような恋




End
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