見参!
□Oh My Juliet
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電話を切ってからパソコンの電源を切り、荷物を鞄に詰めた
それにしても、なぜ佐助は自分が仕事をしていると思ったのだろうか
他の先生かもしれないだろうに
しかし
会いたいと思った時に
声を聞きたいと思った時に
どうして
考えながら電気を消して戸締まりをする
この時間はまだ、街灯の明かりで充分に明るい
言われた下駄箱には、履き潰した上履きと、小さな箱が入っていた
(何だろうか…?)
それを胸ポケットにしまい、鍵を締めて裏門へ向かった
「片倉せんせー」
佐助は門の前で、手を振っていた
警備システムがかかっているため、開けることができない
その門越しに箱を差し出した
「これだろ」
「ありがとー」
そう言って微笑むが、携帯を持ったまま、佐助は手を出そうとはしない
「それあげる、先生に」
「もらう筋合いがねぇ」
「いーから開けてみてよっ」
門に飛び付き、にこにこしながら佐助は頬杖をついた
あ…同じ身長になった
調度、小十郎と視線が同じ高さになることを知った
そんな小さなことが、なぜか凄く嬉しかった
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