見参!
□Oh My Juliet
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「…まずは名乗るもんだろ」
非常識な奴がいるもんだと溜息を吐いて、小十郎はどかっと椅子へ戻った
電話の向こうで、その非常識な男は笑っていた
『だって分かってるんでしょ?』
「何の用だ、猿飛」
『くくっ、やっぱり』
「切るぞ」
『あぁ待って!』
その瞬間、近付いてきたパトカーのサイレンが、一番大きく聞こえた
どうやら裏門の前を通ったらしい
「お前、そこにいるのか」
『あーばれちゃった』
同じく電話からも、そのサイレンが聞こえてきたからだ
わざとらしい佐助の声も聞こえてくる
立ち上がり見下ろすと、校門の前にある街灯の下で手を振るオレンジ頭がいた
『土曜の夜まで仕事?』
「お前は何なんだ?」
『忘れ物取りに来ただけ』
へへっと笑った佐助に、特大の溜息を吐いてやった
「どこにある?」
『えっ開けてよ、自分で取りに行くし』
「生徒が休日に入っていいのは、補習と生徒会だけだ」
佐助は渋々と“俺様の下駄箱ん中”と答えた
ごめん
知ってたよ
休日に一般生徒入れないってコト
携帯を切って、佐助は複雑な顔で俯いた。
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