見参!

□情事の事情。伍
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「ッん!ん、ふ…」

開きかけた佐助の唇を舌でこじ開けて、口腔を掻き乱す。
整然と並んだ歯をなぞると、尖った八重歯が痛かった。

「ンッ…はぁ」

執拗な口付けが糸を引いて終わり、佐助は涙ぐんだ。
ひとつ大きく息を吐き出し、整える間もなく次の快感が襲ってくる。
首元に唇を寄せた小十郎は、幾つも咲き誇る先陣の華に噛み付いた。
全ての華をその唇で踏みにじって、再び咲くことのないように。


「…痛いよっ……」

「そうしてんだ。傷薬ってぇのは染みなきゃ薬じゃねぇだろ」

「それもそうだね…っんァ」

「俺を感じろよ…」

「やっ…んん」


あまりの弄りに、佐助は小十郎を跨ぎ膝で立つ。
腕を首元に回して、一生懸命に体を上げた。


「声殺すんじゃねぇ…聞かせな、薬の効く声…」

「…ひァッ!」


下に延びた右手が、勃ち上がりかけた佐助のそれを捕まえる。
瞬間に出た声に自分で驚きながら、腰を上げ小十郎にしがみついた。
やんわりと蠢く手は、ピンポイントで性感帯を突いてくる。
まるで、知っているかのように動く大きな手に、佐助は声を抑えられない。
指先は裏筋を扱きあげ、根元から先端に辿り着く。


「あっ…ん!ヤダッ…あぁっ!」

「…やじゃねぇ」

「ヤバ、離してっ…も、んぁッッ!」


人差し指が先端を突くと同時に、佐助の目の前は一瞬真っ白になった。
のけ反った背中を支える手が暖かくて、そのまま意識を飛ばしそうになる。

「大丈夫か?」

そんな佐助を取り留めたのは小十郎のその声だった。
気付くと肩にもたれ掛かり、酸素を求め喘ぐ。


「ハァッはぁ…」

「随分と早ぇじゃねぇか」

「まぁ…ねっ」

「…佐助」

「ッん〜?」


けだるい体を起こして、小十郎の顔を正面から見る。
その表情が少し淋しそうで、佐助は苦笑しながら首を傾げた。

「…小十郎さん、今度は一緒にいこっか…」

佐助が体を寄せると、勃ちきった小十郎とぶつかる。
余りの大きさに、内心自分の体を案じた。



絶対壊れる気がする



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