見参!

□佐助の事情。四
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びっくりしたぁ…










だって、めっちゃ晴れてんのに雨が降り出すんだもん…



















「そいつぁスプリンクラのスイッチだ!早く切れ!」

「わわわわっ」


テンパりながらスイッチをオフに戻した。
サーッと最後の一雨が終わって、ピチョンと茄子に水滴を落として終わった。
濡れたTシャツが体に張り付いて気持ち悪い。


「ずぶ濡れじゃねぇか」

「ごめーん、大丈夫?」


頭に巻いたタオルを解きながら、小十郎さんは俺の前に籠を下ろした。
いつも後ろに撫で付けている髪が、顔に垂れている。
小十郎さんは、邪魔そうにその髪を掻き上げた。

ヤバイ…カッコイイ…

見惚れそうになり、慌てて視線をそらした。


「テメェも…悪ィがそれは刺激が強すぎるな」


え?


あ…あぁ!

透けてる透けてる!
ビーチク透けてるよTシャツめ!



「風呂沸いてると思うから入ってこい」

籠を整理しながら、小十郎さんは俯くように顔を合わせようとしなかった。
なんかそうされると、余計に恥ずかしくなるんですけど。
小十郎さんだってずぶ濡れなのに…

優しくされると余計…

一か八か、賭けるのも悪くないよね。



「あのさ、一緒に…入んない?」



ひとつ大きく溜息を吐いた小十郎さんは、立ち上がって俺様の頭を撫でた。
その顔は、めちゃめちゃ嬉しそうに笑ってたんだ。


「テメェは俺の理性を逆撫ですんのが上手いな…」

「…抑えなくていいじゃん」

告白もしたんだし?
って、首を傾げてみた。







「しょうがねぇ野郎だ…」













旦那、ごめんね

お願い
俺様の一生のお願い

掴みかけた幸せを

自分の幸せを



















手にしても

…いいですか?


Next 2007.11.18
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