見参!

□佐助の事情。四
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「Good Morning佐助!」

「おはようでござるー!」

「政宗君も旦那もおはよっ。朝から元気だねぇ」


二人の頭をいっぺんに撫でてやると、顔を合わせてえへっと笑った。
なんて可愛いんだもう!
って二人に頬擦りしたくなったけど、一生懸命留まりました。

リビングでは、小十郎さんが用意していた朝食が湯気を立てている。
オムレツにコールスロー、パンのバケットとジャムにミルクと…

たこさんウィンナー!?

あの顔でたこさんウィンナー…


「なんだ?納豆とか鮭がいいなら用意するぞ?」

「いやいやっそーゆー訳じゃないっす〜」


じっと見てたら、ワカメスープを運んできた小十郎さんとガッチリ目が合った。
吹き出しそうになった自分を抑えて、キッチンへ向かう。


「おい、子供らの飯詰めてくれ」

「リョーカイ。お弁当箱って、この出てるやつ借りていいのー?」

「…あぁ。」


保育園では、ご飯を食べられるだけ持っていくことになっている。
まつさんの作るおかずは絶品らしい。
何でも好き嫌いしない旦那と利家先生からの情報だけど。

それにしてもこの弁当箱、可愛いくまさんですねぇ。

あの顔でくまさん…





皆でご飯を食べ、子供たちが歯磨きをしている間に片付けをした。


「きれいになったでござるよー!」

「次は着替えと保育園に行く準備だね」

「幸村、ショーブしようぜっ」

「のぞむところでござる!」

「どっちが速いかなぁ〜?できたら俺様んとこがゴールね!ヨーイ……ドン!」


佐助の手叩きと同時に、子供たちは駆け出していった。
腕を組んで見ていた小十郎さんは、関心したように何度も頷いている。


「ほう、慣れてるな」

「まーね。赤ん坊の頃から男手一人で育ててませんぜ旦那〜。小十郎さんも政宗君の親代わりでしょ?」

「そうだが、政宗様は大人しいからな。こんな歳相応のあの方を見たのは久しぶりだ」

「へぇ〜」


ねぇ小十郎さん、その時のアンタは、親の顔して微笑んでたんだぜ。
って、それは俺様しか知らないことなんだけどね。

できたー!と二人同時に気をつけをして、俺の前に現れた。
二人に一等賞をあげて、玄関に促す。


「俺が送ってくる。お前は少し寝ろ。」

「ありがとう、じゃあベッド借りるね。」

「さすけ!行ってくるでござる!」

「Bye!」

「はいはーい、いってらっしゃーい」




あー、なんつーの、これが家族ってのなんだね。
すげぇしみじみそう思っちゃったよ。
いってらっしゃい…ってたった一言が、めちゃくちゃ気持ちいい。

そんな事を思いながらベッドルームに向かうと、その上にパジャマがふたつ並んでいた。
ひとつは端正に畳んであって、もうひとつは頑張って畳んだような感じ。


「…うわぁ…やっべぇ、頬笑まし過ぎる…」


旦那はきっと、政宗君の見よう見真似で畳んだんだろーなぁ。
ひとしきりジタバタしたら、眠気が襲ってきた。
やっぱり流石の俺様も、睡眠欲には勝てないらしい。
帰ってきたら、二人とも思いっきり褒めてやろう。
子供たちの匂いが残るベッドで、俺は安らかな眠りを貪った。


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