見参!
□佐助の事情。四
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旦那が幸せならそれでいい
そう思ってた
ねぇ旦那
俺様さ
「シャワー借りていい?」
「あぁ。」
すぐに体を洗いたかった。
チカが残ったままの体で、旦那には会えないでしょ。
きっと旦那は、チカを好きでいる。
俺様は、嫌いになった…振りをする。
それが俺を抱いたチカの、答えだからね、きっと。
あんな風に抱けば、自分のこと嫌いになると思ったんじゃないの?
全く以て馬鹿らしくてチカらしいねぇホント。
それでもあの時苦しくなったのは、俺様がお人よしだからじゃない。
本当に愛したい人がチカじゃなかっただけ。
ただそれだけのこと。
排水溝へ流れるシャワーの糸は、それでも俺を優しく包んでくれた。
「はいっおしまいっ!」
鏡に向かって笑顔を作ってみた。
上手く笑えるじゃないの〜流石は俺様!
さぁご飯食べよう。
旦那たちを送って保育園に行こう。
仕事はね、まぁズル休みするとして…
そう思っても、体がいうことを聞いてくれなかった。
ねぇ旦那
掴みかけた自分の幸せを
俺様なんかが
願ってもいいのかな、許されるのかな
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