〜尊いし眸〜

□十弐章
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「……どうして…佐助さんが…謝るんですか…?
全ては…僕の『存在』があるから…政宗様達や信玄様達にも
迷惑が掛かった……やっぱり守られてるだけでは
……ある筈の無い争いまで…あの時…"要なければ"…」

「!?…何言ってんのさ…っ。聖ちゃん…よく聞きな…お館様も旦那も言ったよね?
聖ちゃんの『力になりたい』旦那は『友達』として君の力になりたい…」

「…、でも…っ……一つ間違えたら……もっと…」


 悪い癖だ…自暴自棄になり始めてるのは分かってる
こんな言動事態彼らにとって迷惑以外の、何物でもない
だけど佐助さんは僕の両肩を強く掴んで
目を逸らさず、強い口調で言葉を述べる…それが尚更怖い。


「自分を責め立てちゃ駄目だ…誰も君の事を迷惑だなんて思わない
…あまつさえ、双竜の旦那達は聖ちゃんを『飼う』だなんて
そう言ってんだよ?……俺様としては納得してないけど、独眼竜が『小鳥』を…聖ちゃんを護りたいってなら分かる…旦那達は自らの意志で君を護りたいんだよ?」

「…、伊達の…皆さんや…武田、の…皆さんは他の人達とは
違うとは分かってる……だけど……これ以上…また……」

「聖ちゃん…っ」

「やっぱり…自分が許せない…でも、それは僕が
弱いから仕方無い…だけで…ただそれだけなんです…よね」

「…………」

「……、…だったら…僕は…あの時…あの森で…し」
――ザッザッ……パァァンッ…
「っ!!…、……」
「…、……」

「政宗様…っ?!」
「ちょっ、独眼竜…っ」


『僕はあの時、あの森であのまま死ぬべきだった』
本当に掠れ、消え入りそうな自虐的言動
…そう言おうとした刹那に佐助さんは無理矢理
政宗様に押し退かされ僕は彼に平手打ちを受けた


 妙に、無情な乾いた音が無情に響き渡る
その行動には小十郎さんも佐助さんも予期せぬ出来事。



「―――…忘れたか……聖…お前は誰に飼われてる?
誰に拾われてしまった?誰に護ると言われた?」

「!……それ…は…」

「……You my a thing little bird
Don't do let death early a place to die in. there is no
<許さねぇよ…お前は俺の物だ…小鳥の死なんてまだ早い、死場所なんて存在しねぇ>」
「!!?…、……」


「フッ……生殺与奪…強いて言えばそんなモノか…?
死にたいとか簡単に抜かすんじゃねぇ…
今のお前をどうこう出来るその権利は俺にあるぜ…」

「政宗様!?何を仰られますか…っ!今の聖には余りにっ」

「……、独眼竜の旦那…最初に拾ったのがアンタだから
生殺与奪権とかも、アンタにあるとか
そう思ってんのか? 俺様、そんな考えなら軽蔑するけど」


 南蛮用語を理解出来ない小十郎さんや佐助さんにとって
政宗様の言葉は、それ以外が非道その物としか受け止められない

「Ha……なんとでも言え」

 だけど、政宗様は何も言わなかった…何をどう受け取られ様と


「まさ…む…ね……さま……」


―――…僕にとっては政宗様に平手打ちされた頬の痛みに
生きてる事の痛みが伝わって、全てが何故か
彼に自分の存在を認められてるかの様な気がした。


……政宗様は僕を『小鳥の君』としてみて
そして『僕自身』を初めから最後まで見てくれていた……。





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