〜尊いし眸〜

□十弐章
2ページ/7ページ







 なんだか、今となっては現代の過去の出来事さえ走馬灯に蘇る
この時代は戦国時代…斬り捨てられるか…人に捨てられるか


 それは覚悟していた…自分は…伊達軍の人間ではないから

 伊達軍の重臣たる人物にして
伊達三傑の一人、綱元さんに迷惑を掛けた

 何をされても仕方ないと思ってた…。


「…聖、俺の目を逸らさずにちゃんと見ろ」

「!……政宗…さ…ま…僕……綱、元……さん…まで……」


 だけど政宗様は僕の頭に手を置いただけで
後は小十郎さんに他の部下達を来させないよう
命令するだけで…自分自身理解出来なかった…。

 捨てられても当然の結果なのに…彼は突き放さず
…逆に僕自身の目をその鋭い独眼の目は捕らえて離さなかった。


――タッタッ…
「…政宗様、人払いは伝えて参りました」

「okay…Thank 小十郎……聖、こっちに来い」

「…?…、……」

「……はぁ…小十郎」
「御意」

「?……?!、…あの」


 突然、小十郎さんに抱え上げられたと思ったら
何時の間にか腰を降ろしていた政宗様の膝の上に
乗せられたので一瞬何が起きたのか理解に苦しんだ


「…これじゃ下衣服の裾に血が張り付いちまう、破るぞ?」


 二人を見上げてみれば…何故だか
どうしてだろう…安心してくれている…?

「……はい」

 応急手当ては自分でも出来たのだが、ふとした
問いだったので頷くと小十郎さんは手際良く
手拭いらしき布を包帯状にして足首に
キツく巻き付け応急処置を施してくれた。


「……すみません…」

「嗚呼、気にするな……他には、本当に何処も怪我はしてねぇな?」

「はい…大丈夫、です」


 それを聞いた小十郎さんはまた何処か
安心したように頭を撫でてくれた後、政宗様に視線を向けた。


「……無粋にも程があるがMy little birdを狙った敵は
豊臣…囮の兵から聞き出した話だか、この夜襲
…豊臣の軍師…竹中半兵衛の独断と聞いた…」

「……聖…正直に言え……竹中半兵衛に会ったか?」


 二人の竜の目が射抜く眼差しは鋭く尋問されてる気分…
しかし二人は僕の事を思っての質問
…また心配を掛けるのは僕とて心苦しい…

 嘘を付いたところで彼らに恩を仇で返してしまう


「……、はい…最初は、貂の親に子を助けてほしいと頼まれて…途中
豊臣の…小勢と衝突し…綱元さんが道を開いてくれました
…僕はそのまま走って…貂の子を見つけた時は
どうやら崖木から降りれなくなったらしいから、助けたんです。
…けど…その崖下には見計らった竹中半兵衛さんが居て…
剣で引きずり落とされました……足に出来た傷は…その時のです」






次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ