〜尊いし眸〜
□十章
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「聖…綱元は重度の心配性な上、自分が特に気に入った相手に何かあった時、乱心するかしないかまでの瀬戸際まで陥り性格が変わり、病を悪化させる性質持ちだ」
「……とても複雑な病ですね…僕が言っても
あの、難ですが、凄く心配になりました…」
「別に深く心配する必要はねぇ、綱元は聖を自分の可愛い
brotherと認識しちまったようだ、よって心配の対象者である
お前と暫くHugして無事だと納得すりゃ直ぐ落ち着いてくれんだろう
―――…病持ちじゃなかったら今すぐにでも引っ剥がすがな…」
恐るべし伊達三傑…政宗様は南蛮フィーバーで毒衝くけど
左目の独眼に映る光は何とも淡く優しい…小十郎さん事オトンも
じゃれ合うかの如くの子供を見つめるような目なのですが。
珍しく、眉間の皺も薄れてた
成実さんは出会った当初から優しい
お兄さんだけどHugセクハラ癖疑惑有り
綱元さんもHug癖+重度の心配性+病持ちって…ブラコン?
あのBASARAで紹介される伊達軍がこんなにも予想外の人達ばかりとは
「……ッ…」
『?!……?』
何だか色々考えてたら、面白くて思わず
笑いが零れて、綱元さんにそっと身を委ねた
みんなが…なんだか仲の良い兄弟みたいで
僕には見たことも味わった事もない光景と経験だったから。
「……ごめんなさい…。…綱元さん、こんな僕を
弟と言ってくれたり心配してくれたり
本当にありがとうございます……僕は大丈夫です」
「…聖……?」
「自惚れてるかもしれないけど……成実さんも、政宗様も
小十郎さんも…こんな、身元も…素姓も……こんな左目で…
得体の知れない人間かも知れないのに
…ちゃんと僕を見てくれて、本当に…嬉しいんです…」
「「「「…………」」」」
限られた人との関わりしか知らない僕にとって
人に伝える言葉で何が正しいかは分からない…
だけど気持ちは伝えたくて、身長差ある…まだ僅かに
体調が悪い綱元さんの背中を少々背伸びする形で
摩るのを続けながらも顔だけは政宗様達の方へ向け口を開き。
「……正直驚きました…会って間もなく甲斐に、連れて行かれた時も
驚きはしました…だけど…何よりも驚いたのは
政宗様達が、僕を迎えに来たと……伝えられた事…」
「……武田と言えば…聖、本当に武田側に連れ去られた時
…邸に居た時…何もされなかったんだね?
…されていないよね?正直に言って構わないのだからね?」
怖いよ綱元兄様、目に僅かな殺意が籠もってますから
落ち着きましょう、また病が悪化したら怖いです
武田側に居た時の事、正直に話した方が良いんですよね。
。