〜尊いし眸〜

□仇章
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「……うん…。幸村さんや佐助さんとは……友達だから…
これまでに居なかった友達…また会いに行ったりしたい…」


 本音を付かれたのは当然の結果かもしれない
やはり驚きも消せない…だけど政宗様は
言わずとも分かっているみたいだから素直に頷いた


「そうか……。だが言っとくが俺達は武田の連中と何時までも
friendって関係に居る訳にはいかねぇんだ…この乱世で
仲良し子良しを考える国主なんて居ない…例え同盟を組んでも
後に裏切りを考える奴なんて腐る程居る―――。
…権力、財力、力、国、民…出せば
キリがねえが中には、もっと質の悪い奴が居る」

「…………」

「利用価値有る存在なら噂が噂を伝い
欲しがる奴だってわんさかと出てくるだろうよ…」
「!……政宗…様…」


 ふ、と小さく笑った政宗様は後にどんどん目が鋭くなり…
その瞳は曇りなき澄んだ真っ直ぐな…"竜の瞳"


「だが…真田は俺が認めたrivalだ…friendとは言えねえが
奴らはNo problem 頼りには出来る相手だろうぜ。
…だけどな、今の世の中、奴らみたいな
人間ばかりだとは思わねえようcareしとけ……You see?」
「……、…はい」


 これは警告なのだろう…きっと武田にも姿を現してしまった巨大な
鳥の一件…蒼空…関係する者の存在、目撃者の存在が増えた事も否めない。


「フッ……とは言っても。ま…little birdが俺の傍で羽ばたく限りは、何も心配はねえがな…」

「……羽ばたく…?」


 傍で羽ばたく…どう言う意味かは理解出来ないけど
僕には拾ってくれた伊達軍以外に行く宛てなんてない
政宗様達の領地意外、知る地理さえ無い…あまつさえ
この世界はよくに言うゲームの異世界、パラレルワールドだ

 歴史上とまではいかない地理も存在するかも知れない
……だから僕だって、今後、どうなるかも分からない

 幾らBASARAと言う娯楽ゲームに存在し人に創作されて
生まれたキャラであっても、彼らには個に個と言う意思があるのだから。


「……全く…自分に何の欲も持たない、健気なlittle birdだ
…その内、運が悪けりゃ…誰かに喰われちまうぜ?」

「…政宗様……でも…僕は…。―――だからこそ……政宗様に…
拾われてよかったと思ってる…小十郎さんにも、伊達のみんなにも
…こんな僕を見てくれるみんなに…会えて良かったと、思ってるから…」
「!…聖…」

「…………」


 その意思で僕を見てくれた…野垂れ死んでも可笑しくなかった
僕を気紛れでも、何でもそれでも構わない…

 拾ってくれた政宗様達には感謝してる―――…温かい人の
関わり、再び人との温もりを感じさせてはくれたのは。


「まったく…cuteな事ばかり言ってくれるlittle birdだ…」



 気高き双竜。




(僕は例え…傍観者の立場でも…干渉が許されてるのならば…助ける事も……何時か…)



 双竜と共に居たい、新たな人と関わってみたい…



 馬を駆け、頬を撫でる風を感じながら
天を目指す竜の体温を背に感じながら、最後まで…僕は


……見届けたいと思った…―――。








to be continue…
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