〜尊いし眸〜

□仇章
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「……二人乗り大丈夫?」
「ブルルッ」


 流石、政宗様の馬さんだけあって『任せろ』と、返事があり
頼もしい馬さんだった、伊達に何時も
政宗様inエンジン擬きな鞍形?を背負っていないね、凄いや。


「聖、こいつの心配をするのは構わねぇが、結構揺られる事になる…大丈夫そうか?」

「経験が無いのでなんとも……多分大丈夫かと思います」

「安心しろ、例えお前の腰が抜けても落ちねぇように後ろで支えてやっから」


 小十郎さんに心配そうに問い掛けられると
政宗様が心配無いとばかりに、頭を撫でてくれた

 台詞は敢えて突っ込まないよ…乗馬は案外
運動になるし人間シェイクみたいになるとか
聞いた事あったような無いような…。


「……ありがとう?」
「…疑問符付けるなよ」


 取り敢えず先頭で腰は抜かしたくないです。


「―――…一応は世話になった…甲斐にも多分、他国の使いが
来るかも知れねぇ…そん時は今朝に話し合った通りに頼みたい」

「嗚呼、分かっておる…安心せい独眼竜、儂らはお主らの…
聖らの味方じゃ、困った時があらば武田は力を貸そう」

「有り難いです、信玄公、なるべく此方には迷惑を掛けぬよう
努力致しますが…もしものことがあらば、ご助力願います…」
「嗚呼、無論じゃ、竜の右目よ」


 僕が寝ていた間に朝早くからお館様と話し合ったことかな…
政宗様と小十郎さん、お館様達が何時になく
真剣だったから内容を聞いていない僕はただ首を傾げるだけだった…。


「……んじゃ発つぜ、聖、しっかり掴まっておけよ」
「はい…っ、お館様!……―――幸村さん!佐助さん!
今度はみんなで遊びに来ますから!」
「「!……」」


 今回は僕を前に乗せてるから
珍しく馬の手綱を持って首を返した…

 久し振りに大声を出して、少し喉が痛いや
……僕からしたら随分勇気を振り絞った言葉だった


「Ha!! Are you ready?」
『Yeahー!!』



 政宗様の掛け声を合図に、皆歓声の如く
返答、蒼の集団は首を返し馬を駆けた

 また遊びに行きたいのは本音だから、多分
それが伝わったのだと思う…遠くなっていくお館様達は
ずっと優しい笑顔で見送ってくれていた事には


 また来たいと思った…。







* * *

―――…ドドドドドッ
「……little bird、また、行きてえか?真田達の所に…」

「…どうして、ですか?」

「そうだな…武田のオッサンはまた違ったが、お前が真田や猿飛を見る目が
何だか、あのBig birdを見ている時と同じような目だったからよ…」




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