〜尊いし眸〜

□仇章
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「……ぅぅ…頭……痛…」
―…シュタッ

「ほっ…と!」
「ぅわわっ?!」


 突然、僕の背後肩から首筋辺りに手を乗せて誰か降ってきた


「大丈夫?少しは戻った?」

「ぇ?…ぁ……さ…佐助さん」

「そ、俺様ね〜。聖ちゃんってば本当に
旦那を喜ばすの上手いから、感心しちゃうよ」


 正体は佐助さん、さっきの驚かしは僕の頭が
麻痺していたので戻す為にしてくれた事らしい…

 まぁ、確かに…麻痺は戻ったが…。


「?…喜ばせてくれたのは幸村さんじゃ…」

「あ〜、まぁそうだけど…どっちもどっちだね」

「…??…」

「余り気に悩まなくてもいいからね〜。
それより、昨日はちゃんと眠れた?」

「はい、佐助さんの背中が余りに心地よかったので
…知らない間に寝てましたから
ちゃんと眠れてます。…足取り…忍ですね」


 僕の肩から頭に手を置いて撫でてくれる
佐助さんはそのまま隣で膝を折り、はにかんだ


「ははっ、有り難き幸せってね、しかし数分も経たない内に
背負っただけで本気で寝ちゃうんだもん、俺様びっくりだよ?」

「……僕も…誰かの背中で寝れるなんて思いもしなかった…」

「…?。……まぁ…そのお陰で絶対知るつもりもなかった
竜の旦那の事も少し知ったし…片倉の旦那とは
一気統合出来たと言うか何と言うか〜……はぁ」
「…佐助さん?」


 話は分かったが、何だか忙しそうに表情が笑いから
苦笑に変わったり溜め息を吐いたりだから首を傾げた


「…ぁ…嗚呼、ごめんね、唯の思い返しだから
……双竜の旦那達も、そろそろ此処を。
っと、俺様は一旦お館様の所に戻るからまた後でね」

「は、はい…」


 少し疲れた表情をしながらも差して
苦ではなく面白かったと言えた佐助さんの表情
最後には僕の頭をひと撫でしてから焦るように消えてしまう。


――タッタッタッ…
「聖、起きてたか」

「政宗様…小十郎さん」

「…動いても大丈夫か?」
「うん、ありがとう小十郎さん、この通り大丈夫です」
「……そうか」

「…vigor ous figure…安心したぜ…」

「……………」


 僕も政宗様や小十郎さんの姿を見て安心している
自分が居た…やっぱり政宗様達と幸村さん達の
感じる安心は違いがある…言葉では言い表せない何か。


「さて…武田のオッサンとも話は終わった…"帰るぜ"?」
「!!…、……」




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