〜尊いし眸〜

□惨章
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* * *

「……、…!……?」

 本日二度目の目覚め、瞼を上げた筈なのに目の前が暗い
―――…いや違う、これ…僕の目の前に何か居る?…なんか温かい。


「……、…………!?」
「…Good evening little bird…good dream…You see?」


 って…これなら温かい筈だよね、だって
見上げたら端麗なお顔の政宗様がいらっしゃって
おまけにバッチリ目が合いましたもん、びっくり。


「も…もーにんぐ。……ゆ…ゆっくりは…眠れ…ました……」


 ついでに英語の解読、束の間を費やした…案外面倒なんです
……歴史では異国の興味か交流があったってのは
知ってるけど…こんなにペラペラ喋ってましたかね?

 僕が分からなくなる…。


「それなら、良かったぜ……で、俺の懐は
そんなに気持ちが良かったかい
…随分と安心して寝入ってくれてたが…?」
「……な……ななッ!!」

――ズササッ…ゴッッ!
「ぅお!?」
「〜〜っ…!」


 すごく…妖しい笑みを向けられ…次いでに
政宗様にとてつもなく辱められた気がして
勢いよく後ろに後退したら後頭部に何かぶつかった

 何、いったい…何が起きたの、地味に滅茶苦茶痛い
反射的に丸まったから、また政宗様の懐戻りじゃないか。


「…な…何やってんだ聖…大丈夫か?」

「こ…こじゅろ…サン…何故そんな所に……僕、貴方様の膝……痛いデス…」


 ぶつかった場所を見直し見上げてみれば
そこには何時も通りに……ちょっと足を痺らせて正座を
崩してしまったような体勢の小十郎さんが居ました。

 僕の背中…と言うか頭の後ろに居るとは思わなかった…。


「っ……、政宗様…余り聖をからかいますな…」

「っ…ククッ……悪ィ悪ィ…まさか、こんな
良い反応してくれるとは思わなかったんでな」


 此処で小十郎さんとも僕が頭を抱えながら
視線を見上げたのでバッチリ目が合ったけど
直ぐ様逸らされ政宗様に会話を振っていました…虚しい。


「……いや…あの…なんで僕は政宗様と寝てたんですかね…?
…あれ…僕は何時寝たんだろ…ん?やっぱり
小十郎さんはお父サン的positionだったんですか……?」

「一度に三つも聞くな、ややこしい…お前は俺らが
野郎共と話している間に布団の上で丸まって寝ちまったんだよ
それを見かねた政宗様が聖を寝かし直してさし上げたのだ
……しかし、それは良いが突然添い寝をしてやろうと仰り
今に至った……そして俺はお父さん的ぽじしょんじゃねえ
政宗様まで少しばかり本気で寝ちまったから付き添ったまでだ、分かったか」




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