〜尊いし眸〜

□弐章
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「……っ…、……ぁ…?…」

「?!……意識が戻ったか…」
「♪〜…良いeye color持ってるじゃねぇか。
……っと…今はそんな話しじゃねぇな……俺が分かるかい?」


 瞼をゆっくり上げ、霞む視界の先…最初の僕の目に映ったのは
右目に眼帯を付けた人と、隣には左頬に傷がある人


―――…外の夜明かりを除いては辺りが暗いのは分かった
次第に周りを理解すると、彼らは
どこかで見たことも聞いた事もある喋り方の人達


「……、………」


 何だか微妙に記憶が抜けた感覚がする…だけど取り敢えず
今は目の前の彼の言葉に頷いて
言葉よりも上半身が先に起きようとしたが…上手く起きれない

 起き上がろうとすれば、それを拒むかのように
頭の中までフラフラする始末……それを見かねた
左頬に傷がある人が僕の背を支えてくれた。


「無茶するな…」
「……ぁ…の……」

「No stand……無理して起きねぇ方が良い…
三日も寝込んでしまえば、身体は応えちゃくれねえよ」

「………すみ…ません。…僕……死んで……なかったん…だ」
「!!……、馬鹿な事を言うんじゃねえっ。…政宗様が
森で行き倒れのオメェを拾って下さったのだ
感謝しとけ…野垂れ死にせずに済んだのだからな」

「……政宗…様……森…」


 左頬に傷がある人は僕の言葉に何だか少し
驚いた表情をしてから、憤りを覚えたように静かな叱責と
皮肉を向けられた…とても怖い形相になってる

 一瞬は怖く思えれど…政宗様贔屓な人なんだな…と、そんな考えが上回る

 それに寝起きの頭では考えがサッパリ着いて行けない
自分は何をしていたんだとか、何故こんなところにいるのかと

 でも…端間の記憶では微かに、この二人の顔 どこかで見たことあるんだよな…と、思った。


―――…画面で……


―――――…?…画面…?。



「……?………?……」

「なんだ?……そんなに見詰めるなよ
そんなに俺に、気でも入ったか?」
(……やっぱり…見た事が)

「ま、政宗様っ、早まれるな!名も性別も分からぬ相手に!」

「Ha!何言ってんだ小十郎、竜がbirdを喰っても
別におかしかねぇだろ the law of the jungle!」
「ぇ………ぁ…の…」

「……病み上がり相手……政宗様に移っても大事ですぞ…」


 凝視していたから、そう思われても仕方無いのだろう
…けど、随分と俺様思考な方のようだ、鳥って…誰のこと?

 この城に掲げられてる御旗は鳥に竹
家紋が……竹……向かい雀……竜?……竜……
この人は独眼……ぁ…当てはまる名は一つあった。


「……独眼……竜…?」

「Right…どうやら、少なからず俺を
知ってるようだな…お前、何処のもんだ?」

「…………」


 何故だか頭は忘れていた感覚にあり、彼の
通り名を言ってみれば当然ながらに目の色が変わった……だけど
それは仕方ない…何処の誰かも分からない者を警戒するのは当たり前


「……ながれ…もの…?」

「……オメェ、この辺の人間じゃねえのか?」

「はい……」


「…名は?」

「…鋪乃……聖…です…」





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