〜尊いし眸〜

□仇章
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………汝の……全て……











* * *

――…チュン、チュン
「……、…!……」


 朝…何かの声…否、小鳥の囀りで意識が覚醒し
目の前には僕を挟んで何故か二つの掛布団が
折り畳まれていた。…まさかのまさか…?。




――ブンッ…ブンッ、ヒュッ!!

「……?…」


 そんな考えは余所に突然と何かを振るう音が聞こえた…
此処からだと少し距離は有りそうだが…
もう目も覚めてしまったので
政宗様達を探す次いでに部屋を出ることにした





* * *

―ヒュッ!ブンッ、ブンッ…
「………、…幸村さん?」

「ん?…おお!聖殿、お目覚めになられたか!昨日は
何かとあったでござろう、しっかりと眠れたであろうか?」


 縁側の渡り廊下を歩いて数分…僕が寝ていた部屋からは少し
遠い離れの庭にて昨日と何ら変わらない
紅の甲冑を身に纏った幸村さんが双槍を奮ってた


「はい…昨日は佐助さんに背負われた侭、寝たので
…後の事を覚えていない分、しっかりと眠れました」

「せ…背負われた?」

「…なんと言いますか…小十郎さんの
殺意止めに、部屋までおぶってもらいました…」

「そ…そうであったか…」


 幸村さんの顔が赤いのは気の所為?…ちょっと反応も薄い。


「…幸村さん、鍛錬…終わったんですか?」

「さ…左様…」

「じゃあ、こっちに来て少し一緒にお話しませんか?
幸村さんとはあまりお話が出来なかったので…良ければ…」

「!…そ、某で、宜しいのでしたら…」


 あ、良かった、表情が明るくなった…先に縁側に足を外向け
僕の隣を勧めると、幸村さんは少しばかり
躊躇していたけど二三度と促せば、恐る恐ると座ってくれた。


「……、幸村さんは僕が苦手ですか?」

「なっ!?ななな、っ何を突然申されるか!某
聖殿を苦手などと思った事は一度たりともありませぬぞ!!」

「……ほ、本当ですか?」


 相変わらずな大きな声が響いたのはさて置き、何故
そう思ったかは幸村さんを見つけてから
…彼と目が合い挙動不審に直ぐ逸らされたから



「うむ!本当でございますぞ聖殿!」

「……、良かった…」

「…聖…殿……?」


 少し、らしくもなく左目も気にしてしまったので
不安になってしまってたんだ…どうやら僕の思い違いみたいで安心した。




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