〜尊いし眸〜

□泗章
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 僕が政宗様に拾われて一週間が経った頃
まだ巨大な鳥情報事件を聞きたがりに来る各国
武将らが珍しく、まだ後を絶たないらしい

 奥州の主である政宗様や、その腹心である小十郎さんは
最近、忙しなく多忙らしく…それで風邪が治った
今でも邸からは外にまだ出てはいけない言われてる


 これ、病後の謹慎中?。




――チュンチュン
「待ってて……とっ…のぅ?!」

「そんなとこ登っちゃ駄目だからって!危ないっての!
聖、幾ら風邪が治ったからって木登りは禁止だぞー!」

「成実さん…だって暇なんで…あそこにいる雀とお話を……」

「でもよ、あんまり動いたら筆頭や小十郎様が心配するぜ?俺らも」

「じゃあ宗時さん……貴方の馬と庭で遊んじゃ駄目ですか?
最近…身体を綺麗に洗ってくれないからって、怒ってますよ?」

「げっ…だから最近余り言うことを聞かなかったのか…っ!
つ、つーか庭も駄目だ!俺が小十郎様に怒られちまう!」


 口を開けば暇、まだ病み上がりとは言われるが
風邪が治ってからは暇と言う名の面倒さが
頭の中を過ぎりに過ぎって僕は大人しくしてなかった

 城から出てならないならば、遊びにやってきてくれる
野鳥などと世間話をするしかないのに、あ
傍に呼べば良かったか……みんな、忙しいみたいだし。


「……………」
「まだ、もう少し大人しくしててくれ、な?
ちゃんと元気になったら茶店に連れて行く約束でしょ?」

「……、…はい」

「後、相乗り乗馬する為には俺の馬にも、これから
機嫌を直してもらわねーといけねぇな……まぁ今日は
大人しく縁側で日向ぼっこでもしててくれよ?
聖なら鳥とかが寄ってくるだろうし、な?」


 ついでに、今更だが僕が動物と話せる事は
伊達軍の皆さんは知っている、寝ていた時に入り口や
窓辺から入ってくる小鳥達が色々話し相手になってくれたり

 噂話をしてくれたり、稀に隠れてこそこそしている人達
悪戯や失態話、事実を聞かされていく皆さんも
疑う余地は無くなってしまったと言う事、寧ろ人が居ないのに
独り言みたいに見えて最初は、頭の事をとても心配された。


「……分かりました」

「……言っとくけど、まだ絶対に過激な運動とか
禁止だからな…絶対に動いちゃ駄目」

「絶対の絶対、大人しくだぜ?暇だったら
また後でちゃんと相手になってあげるから
あ、だが、何かあっても絶対に俺らを呼べよ?」

「…はい……心配をお掛けします…」


 伊達軍に対して僕の最初の印象は柄の悪い不良の集まり
…とかも思った一時があった、が
全くそんな事はなくて、みんな優しかった

 今もそう…信頼すべき仲間を大切に
思うかのように、この二人は護衛と言う名…

 成実さんと宗時さんは動き回らないか…
城内見張りのついで…とも言って今まで
僕を心配しながら相手をしてくれてた

 勿論、伊達軍のみんなも

 怪しく思われても仕方ない筈なのに
彼らは…とても、親切にしてくれた…。


「お仕事…頑張って下さいね」

「ありがとね〜」
「おう!」


 暇でも…今はまだ大人しくしていよう。




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