〜尊いし眸〜

□惨章
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―――…ドドドドッ…
「失礼しますぜ筆頭!小十郎様!各国武将の使いから突然
巨大な鳥がこの奥州に落ちたのではないかとか言って
まーた話が聞きたいと数名押し掛けてきやしたぜっ!!」

「此方もその巨大な鳥に関して、飛脚が文を届けに何人も!」

「筆頭!小十郎様!」


 突然の騒ぎだった……騒然と伊達軍、または、家臣、重臣
家老のみんなが走り回るようにしてこの場に流れ込んで来た

 巨大な鳥と言えば…僕が寝ていた時…僅かだが
政宗様と小十郎さんが深刻そうに話していたのを覚えている
……今だってそうだ…巨大な鳥とは蒼空の事でしかない。


「ったく…普段は伊達軍を恐れて逃げる癖して碌に
相手にならん奴らが、好奇心見たさで来たか、珍獣欲しさで来たか…」

「Ha!良い度胸じゃねぇか My have bird!
俺が拾った以上はこの奥州筆頭 伊達政宗の物だ。小十郎…分かってんな」

「承知、二度と来られぬ様、きっちり絞めてやりましょうぞ」

「Goodだ!小十郎、テメェらも盛大に迎えてやりな!
双竜の物に手を出したらどうなるか、分からせて来い!」


『Yaーー!!』


 と、掛け声にも等しい返答で
また慌ただしく出て行ってしまったみんな…
残ったのは、この場に唖然とした僕と
未だ面白そうな笑みを絶やさず浮かべてる政宗様だけ。


「……すみ、ません…政宗様…どうやら僕は
政宗様達に…此処の人達にも、多大な迷惑を…」
「not to speak of……OK?」


 政宗様は僕の口に人差し指を添えると、また
優しい笑みを向けてくれた……他の人がやったら
相当、キザなんだろうけど政宗様の場合は破格

 霧消に合ってるから逆に恐いと思ったのは僕の胸の内のみ。


「……だけ、ど…」
「お前は黙って此処に居れば良い……俺は"俺の物"に
勝手に触れようとする馬鹿なお偉様方を潰していくだけだ…You see?」

「……ぁ、…僕……物?」


 少し苦笑気味に言ってみれば政宗様は一瞬目を丸くするも
直ぐに何時も通りの表情に戻して、また頭を一撫でしていき


「No…一つ加え忘れてたな……Important existence」
「……、……ぇ…」


 そう言うと政宗様も早々に部屋から出て行ってしまい
残された僕はただ、ポツン…と二度目の
飽けに取られ英語の解読に困難を強いていたが…




 理解出来た時…



何故だか胸が締め付けられた…。















―Important existence―
   

【…大切な存在…】




 野郎達が気に入ってしまったから

こんな短期間でも情が湧いちまって…

余計に大切にしたくなった…。










to be continue…
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