〜尊いし眸〜

□壱章
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 森を抜け再び帰路を馬で駆けていた時
小十郎が政宗の隣に馬を並び走らせ
視線を彼の腕の中に納めている聖へ向け


「政宗様…この者に対して何か、気に入るものでも?」

「Ah……眸…だな…起きてる時の眸が見てみたくなった」
「眸で…ございますか…?」

「…変わった格好もしてるし…きっと
面白い事になる…そう思うと楽しみになるだろ?」

「……勝手なお方だ」


 何時もと違う政宗に小十郎も、らしくない
主に対して面白可笑しいと思ったのは彼の胸の内のみぞ知る。







* * * * *

…汝…傍観者にして聖力を…

 人に干渉出来る者…

 心を知り、時を知り…流れを知り…

 全てに干渉するもの…



 ?……分かんない…面倒だよ…
そんなの…今の僕には、関係ない……。


それを決めるは…己次第……

 時、流れば人の知は変わる……

 全てが汝に来よ…誰も汝を遮らない




 どうだろう……?
人は…勝手が多いから……僕も

もう…面倒…

だから…あのまま静かに
死ねるなら…それで良かったんだけど…



……だめ……駄目だ
死なせない……生きよ…

 汝の生きる場所…見つけた……

 此処に在る…我が力を…喚べ…




――――……………君の声…覚えてる…

学生の頃に助けた…あの子…

天に巣立って…
生まれ変わったのかな…?


…人の様に…温かいね…。



……死を求める無かれ

 求めて……生を求めて…

我が名は…"  "…鳳凰の生まれ変わりにして万を……―――




…!!…ま…っ………





――――…全てがまた闇に変わった


嗚呼…凄い…とても

動物を助けて瑞祥だなんて

案外、世の中は単純なの…?


…でも、お前にもう一度、会えて嬉しいよ…



お前は綺麗だった…だけど空に返せなかった…



僕が不甲斐ないばかり…












 お前に…心配かけたね…


ごめん…



でも…お前が生きてくれるなら…



僕も…………頑張ってみる……。








to be continue…
※瑞祥…吉兆、めでたい前兆等
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