×恋愛模様×

□×姫の遊戯と執事の恋と×
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『お嬢様、起床時間でございます。』
毎朝6時50分、学生にしては遅い目覚ましだが雛姫(ヒナキ)の朝は来栖(クルス)のこの一言から始まる。
「う〜ん。うるさいわね、もう少し」
寝起きが悪いのはいつもの事。
『ですが起きて頂かないと学校に遅れてしまいます。お嬢様、アーリーモーニングティーをご用意致しました。これで目が覚めるかと』
苦笑と共に眉を下げるが慣れた手付きで手際良く紅茶の用意をしながら雛姫に声をかける。
「いやよ。私は眠いの。寝かせてちょうだい」
モゾモゾと寝返りを打ち来栖に背を向けると頭迄布団を被ってしまった。
『…』
今日はいつになく寝起きが悪いご様子
『お嬢様、無礼ながら失礼致します』
深い溜め息と共に眉間に皺を寄せて雛姫が潜り込んでいる掛布団を一気に取り上げた。
「キャァアア―――」
その瞬間、悲鳴と共にバチ―ンと盛大な音と頬に衝撃が走った。
『ッッ…、』
耳迄真っ赤にして慌てる雛姫は服を一切纏ってはいなかった。
「出てって」
取り上げた掛布団を引き寄せ再び潜り込んで目を閉じる雛姫。叩かれた箇所がジンジンと熱を帯びる。
『大変失礼致しました。御無礼お許し下さい。ですが起きて頂かないと、本当に遅刻してしまいます』
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