×恋愛模様×

□×キライ×
3ページ/5ページ

そんな人物と同じ扱いなのが気に食わない。

『…はぁ』

――苛々するんだ



『ただいま…』
玄関を開けるといつもならパタパタとスリッパの音を響かせ嬉しそうに駆けて来る気持ち悪い冥牙の姿がなかった。
買い物だろうかと大して気にかけず自分の部屋へと向かう。
部屋へ入ると真っ先にベッドに倒れ込み目を閉じる。
『はぁ』
散々だった今日を振り返り大きな溜め息が出た。

ガタンガタン

このまま眠ってしまおうかと思っていた矢先リビングの方から物音が聞こえた。
『…何だよ、居るんじゃん』
出迎えが無かった事に少しばかり腹を立てつつもリビングへと向かった。
『ねぇ?今日の飯……何…?』
中へ入ると風蘭(フウラ)が冥牙に覆い被さる様にじゃれて居た。
思いもしない光景に少しの間呆然としたが平常心を装う。
風蘭と言うのは冥牙と一緒に現れた見た目14、15歳くらいの少女だ。
関わる気も無かったからこの位の情報しか知らない。
寝転んでじゃれ合う二人に驚きはしたが直ぐ様冷ややかな視線を向け、空いているソファーへと腰掛けた。
「あぁ…悪い。今から作るな。風蘭も手伝ってくれるか?」
上に乗りしがみついている風蘭を起こして優しく髪を撫でてキッチンへと向かった冥牙。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ