短編
□災難
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それはある日突然起きた…
《 災難 》
任務帰りにいきなりコムイに声をかけられた。
「やぁやぁ神田君!最近疲れてるんじゃないかい?」
怪しいほど満面の笑みを浮かべている。
「俺は腹減ってんだよ、任務じゃないなら後にしろ」
さっきの任務がハズレで機嫌が悪い為、さっさと食堂へ行ってしまった。
「連れないなぁ…ちょっとくらい付き合ってくれたって良いのに……」
「…あっ!そうだVv」
その時子供のような…それでいて怪しく光るメガネの笑顔を見た者は誰もいなかった…。
―食堂にて―
「蕎麦」
いつものように一言で注文を終える。
数分後…
「はいはい、お待ちどーんVv今日は特別製よん♪」
その言葉に一瞬首を傾げた。
(どこか変わっているだろうか?いつもと変わらない気がするが…)
まぁいいか、と思考を打ち切り席へと着く。
実際食べてみても味も特に変わらなかった。
疲れのためか満腹のためか、段々瞼が重くなってきた、時刻が遅いせいでもあるだろう。
食器もそのままに、テーブルに肘を付き顎を乗せ目を閉じる。
後ろではモヤシが食事を口に入れている……と言うか物凄い勢いでかき込んでいるがいつものことだと気にしないことにした。
「ユ〜ウ?」
もう少しで眠れそうだという所でラビに名前を呼ばれた。
「そんな所で寝てたら風邪引くさ」
そう言われて軽く舌打ちし、面倒臭そうに立ち上がる。
寝ぼけながらフラフラ歩く神田を見兼ねてラビが部屋まで付き添いベッドに寝かせる。
神田はベッドに入ってすぐに寝息をたてて眠ってしまった。
(ユウがこんなんなるの初めてみるさ)
頬をつついても全く起きない。
ふと、ベッドに立て掛けてあった六幻がラビの目に入った―――
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