long
□不吉な予感…そして…
1ページ/3ページ
どんよりとした雲が渦巻く、お世辞にも良い天気とは言えない今朝の空模様‥
何か不吉な事が起きる前触れなのではないかと妙な胸騒ぎがしてならなかった。
ー そして、放課後‥
「み、水戸くん…」
「春野さん…」
いつもの様に体育館に向かっていた綾は同じクラスの水戸と出会した。
以前、彼に告白されてからロクに顔を合わせておらず互いにとても気まずい雰囲気だった。
( 告白の返事…まだしてない…
ちゃんと断らなくちゃ、水戸くんを傷付けるだけだよね… )
「あっ…あのね、水戸くん…!
この間の件なんだけど…」
「…!春野さん、危ない!!」
「え…?」
突然の言葉に驚く綾。
振り返ると、そこには出立ちの悪そうな男達が立ちはだかっていた‥‥
「おい、女…体育館はどこだ?」
「!!…きゃあっ!!」
綾は先頭にいたロン毛の男に捕えられてしまった。
「…知らねぇな。それより、彼女を離せ!!」
「あぁ?テメーには聞いてねぇんだよ!」
男が放った蹴りを持っていたカバン一つで受け止める水戸。
彼は桜木軍団のリーダー的存在。
そんじょそこらの不良よりも断然強い。
「へぇ…やるな、お前。
まぁいい…この女は預かっておく。
俺達はバスケ部をぶっ潰しに来たんだからな…いい鴨になるかも知れねぇぜ…」
「「 !!? 」」
「なっ、何だと!?バスケ部を…!?」
「っ…そんな事…させない!!」
綾は男達をキッと睨みつける。
「…いい女だな。強気な女は嫌いじゃねぇぜ。」
一番ガタイの良い鉄男と呼ばれるその男に気に入られてしまった綾。背筋が凍る様な、そんな感覚が彼女を襲う。
( い…嫌…紳ちゃん、助けて…! )
「春野さん…!!」