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□第三章・完結編
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第三章・完結編は
牧、神、清田の海南トリオによる会話文です。ごゆっくりお楽しみください‥

彼女を自宅まで送り届けてからしばらくして…帰り道でのお話。

ーーー

「牧さん、あんなあっさりした別れ方で良かったんですか?」

「…何が言いたい?」

「いやぁ…俺がもし彼氏だったら、手を繋いだり、別れのキ…キスぐらいはしてたかなぁって思っただけっす。」

「……それはお前だけじゃないのか?」

「そうだよ信長。牧さんはそんな狼じゃないよ。綾ちゃんに淋しい思いをさせない為に、敢えてしなかったんじゃないかな、多分。

…ですよね?牧さん。」

「なるほど…大人の世界だ。」

「フッ…神には何でもお見通しだな。」


「…けど、彼女の立場からしたら、それは間違いかも知れません。

綾ちゃんは…あんな小さな身体で俺達に真正面からぶつかって来てくれている。
俺の過去の話も決して馬鹿にせず聞いてくれて……
今日、信長が失言した事も
自分がハッキリしない所為だと思い詰めていました。色々我慢しているんじゃないかな…

彼女には笑顔を失って欲しくない。

だから、牧さん…すみません。」


「…じ、神さん…」

「神…お前……」


「彼女のことが、好きです。」


「「……!!」」


「…でも、
もし彼女がこの事を知ってしまったら、きっと困らせてしまうだけだろうから……
今はまだ言えませんよ。言えるわけが無い。
…牧さんの隣にいる時の彼女は、綾ちゃんは…心の底から幸せそうなんです。
俺なんかが入れる領域じゃない。

だけど今後、泣かせる様な事があれば牧さんであれど、容赦しない。

……俺、負けませんから。」


「宣戦布告か…

神…言いたいのはそれだけか?」

「まっ、牧さん…?」

「綾の事を好きな奴がどれだけ居ようと、俺には関係無い。…蹴散らすのみだ。

だが……俺もあの笑顔には何度も心を救われている。それは確かだ。
これからも、ずっと、ずっと守り通したい。

…綾は誰にも渡さない!!」


「…!!」

「牧さん……」


「親御さんが心配しているぞ。早く帰れ。」

「公園でシュート練習したら、帰ります。
牧さんも、信長も…お疲れ様でした。」

「そうか、頑張れよ。」

「…牧さん、神さん!お疲れっした!
お先に失礼します!」


パシュ‥

パシュ‥


(…満月、か……
綾ちゃんも見てるかな。

本当だ…すごく、綺麗だね……)


第三章・完結編

ー END ー
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