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□海南大・男子バスケ部 一日体験!第二章
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「ん〜…あれ、ここは…?」
やっと目を覚ました綾。
気が付くと、時計の針は15時を指していた。
近くで基礎練をしていた清田は彼女に声をかけた。
「綾さん!やっと起きたんですね!
急にそんなとこで寝ちゃってたんでビビリましたよ〜。
お弁当、超絶ウマかったっす!
ご馳走さまでした!!」
「ほんと?良かった〜。朝早く起きた甲斐があったよ…
って!!私、
こんな時間まで床で寝ちゃってたの!?
わわわわ、恥ずかしい……
変な事とか口走らなかった?」
赤面した頬を両手で押さえ、清田を見る。
「えっ…いやぁ、特に何も……」
無自覚でやっているのだろう。
自然と上目遣いになってしまっている。
(やばっ… )
「そっか、良かったぁ…
あれ?そう言えば、このジャージ…」
「それ、牧さんが掛けてくれたヤツっすよ。」
「!…そっか、紳ちゃんが……」
綾はジャージを大事そうに握りしめた。
「………」
清田は彼女をじっと見つめている。
その時だった。
「おい清田、そのぐらいにしておけよ。」
「! 牧さん…」
「紳ちゃん!」
牧は清田の肩に腕を回し、ドスの利いた声で威嚇した。
「綾、目が覚めたのか。おはよう。
プレゼント…ありがとう。大切にするよ。
あと弁当も、なかなか美味かったぜ。
あの顔は傑作だったな。もう少しパンチがあっても良かったかもな?」
ハハハ…と笑い清田から腕を解放した。