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□練習試合
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本日は、湘北高校 VS 陵南高校の練習試合!
桜木のみベンチ入りで、他のスタメンメンバーは真っ赤なユニフォームに袖を通し、各自ウォーミングアップをしている。
マネージャー業も
多少(?)板についてきた綾。
やるべき事は練習の補助や選手のコンディション管理、そして緊急時の応急処置。
そして一番重要なのは、大きな声援を送り続ける事!
彩子にはマネージャーのイロハを色々と教えられてきた。
感謝に感謝を重ねる綾だった。
ギャラリーには、桜木軍団や赤木晴子、流川親衛隊に湘北、陵南の生徒がいた。
綾は相手チームの監督に挨拶をしに向かった。
「田岡監督、初めまして。
湘北高校男子バスケット部のマネージャー、春野と申します。今日一日よろしくお願いします。」
「あぁ、ご丁寧にどうもありがとう。
陵南の田岡だ。こちらこそよろしく頼むよ。」
二人は握手を交わした。
( 礼儀のあるお嬢さんだ。あそこに居る赤い髪の男とは比べモンにならんな。)
「綾、そろそろ整列するわよ!」
「あ、はーい!今行きます!
…それでは、これで失礼します。」
監督に一礼し、戻っていった。
「監督、今のは?」
「湘北のマネージャーだそうだ。」
「えーー!?あんな可愛いコ、全然知りまへんでしたわ!!
ワイのチェックノートに書いとかな!」
「うるさいぞ、彦一!
…それより仙道は!?まだなのか!!」
関西弁を話す饒舌な彼は、1年の相田彦一。
バスケに関わる事項には全てノートにメモっている様だ。
そんな彼をよそに、監督は仙道と言う選手が未だ現れず苛立っていた。
ー すると‥
「どうも。遅れてすみません。」
「「「 …!! 」」」
ツンツン頭で高身長の男がやって来た。
「こら仙道!!これから試合だと言うのに、今まで何しとったぁぁ!!」
「寝坊です。」
そう淡々と言いのける姿に、監督はもはや怒りを通り越して呆れていた。
そう、彼こそが陵南のエース・仙道彰なのだ。
「ちっ…にゃろう。ふざけやがって…」
「遅刻できるほど、余裕なのかしら。」
「仙道…負ける訳にはいかん!」
皆、馬鹿にしているのかと愚痴をこぼす。
「ヒーローは遅れてやって来る……か。
…って、あれ!?桜木くんが居ない!」
ズカズカと相手チームのベンチへと向かう桜木。その目的はもちろん、仙道だ。
「くぉらセンドー!遅れるとはいい度胸だ!テメーは必ず俺が倒す!!」
「…フン、威勢だけは良いみたいだな。
悔しかったらバスケで勝負してみろ、桜木!」
対抗心剥き出しの桜木に応える仙道。
「なぁーにやってんだ、花道。」
「桜木くん…」
観客席ではオロオロしている晴子と、
やれやれー!!と楽しそうにちゃかしている桜木軍団の男達‥‥
「ケンカはダメだよ、桜木くん!
…ほら、いいから行くよっ!
仙道さんに陵南の皆さんも、すみません…」
桜木の腕を引っ張りながら、申し訳なさそうに謝罪をする。
「! はっ、はい…綾さん。」
綾の存在に気がついた仙道は、声を掛けた。
「君、湘北のマネージャーさん?
可愛いね。名前は何て言うの?」
先日、水戸に告白されて以来綾は男性に対して少し慎重になっていた。
「えっ!?えっと…」
返答に困っていると…
「綾、行くぞ。」
流川が綾の言葉を遮り、その場から連れ去って行った。
「!!」
「か、楓くん…?」
「!? キツネ!!何しやがる!!」
「…へぇ、綾ちゃんか……なるほどね。」
瞬時に状況を理解した仙道。
試合前から一悶着も二悶着もあったが、やっと練習試合が始まったのだった。
(春野さん、流川…)
(流川くん…やっぱり…)
水戸と晴子は、複雑な心境だった‥