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□実は…
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とある日の放課後、体育館にて。
綾は桜木と1対1での練習を任せられた。
もちろんそれは、彼女がバスケ経験者故の特別な措置。
練習内容は主にバスケットの基本的なルールやオフェンス・ディフェンスのやり方、レイアップシュートなどだ。
彼女に想いを寄せる桜木は、嬉しさ全開と言った表情をしている。
「綾さんと二人きりで練習…!!
あぁ…生きてて良かった… (じーん)」
(チッ…
なんでアイツと、どあほぅが……)
彼等の側にいた流川は明らかに不機嫌な様子で、面白くないと言った表情をしていた。
「桜木くん?どうしたの?」
「ハッ…!いや、なんでもないです!」
「そう?じゃ、始めよっか!」
「ねぇ流川。アンタって綾の事、好きなんでしょ?」
突然、彩子が顔をニヤつかせながら流川に話しかけて来た。
「! 別に…興味ねーです。」
「ぷぷっ、相変わらず分かりやすいヤツ。その仏頂面を見てればバレバレよ。
…まぁ、あのコも相当鈍いから
ハッキリ伝えないと伝わるものも伝わらないかも知れないわね。
まっ、頑張るのよ、流川!」
彩子はそう言って肩を叩き、皆の元へと戻って行った。
「なんなんだ、一体……」
( 俺が…アイツを、好き……? )
ブンブンと首を左右に振り、練習を再開した流川。
このヘンな気持ちの正体は何なのか…彼はまだ気付いていなかった。